タイ、バンコクの不動産投資について。
これまでタイのバンコクに何度か行く機会があり、不動産を複数見てきておりますので、タイのバンコクでの不動産購入や不動産投資ってどうなの?と言うのを書いてみます。
バンコク不動産投資の良い面も悪い面も書いていこうと思います。
タイの経済は好調、不動産にも影響
タイの経済は現在好調です。これは上昇率の推移ですが、基本的に毎年高い成長率を誇ります。

2008年のリーマンショック辺りを除いては毎年数%の上昇が続いています。
画像出典:世界経済のネタ帳様
タイでは国民が裕福になってきており、タイ経済が活発になるとタイでビジネスをしようとする外資の参入が増えます。
で、タイの不動産投資は、主にそう言った在タイ外国人の賃貸需要を狙ったものになります。
バンコクの不動産投資市況
バンコクでは不動産、特にコンドミニアムやホテルレジデンス、タウンハウスと言った日本ではあまりなじみの無い形式の物件が主流です。
バンコク全体に言える話なのですが、どこを歩いても延々と新築のタワービルの様なもの(恐らくコンド、ホテルでしょう)が建設ラッシュ。
タイの不動産市況は相変わらず好調が続いており、かと言って供給過多とも言えず、不動産の購入や投資に関しては選択肢が増えてきている状況です。
タイ | 日本 | |
正式国名 | タイ王国 | 日本国 |
首都 | バンコク | 東京 |
通貨単位 | バーツ(BHT) | 円 |
公用語 | タイ語 | 日本語 |
政治 | 立憲君主制 | 立憲君主制 |
人口 | 6,886万人 | 1億2,700万人 |
名目GDP(2017年) | 約50兆円 | 546兆円 |
GDPランキング | 26位 | 3位 |
外国人の土地保有 | × | ○ |
外国人の住居保有 | 49%可 | ○ |
固定資産税 | 無し | 有り |
相続税 | 無し | 有り |
タイはアセアンの中でも「不動産投資向き」です。
物件の供給数も多ければ経済成長の波に乗って外国人駐在員を中心とした需要も高く、
また上記の表の下部にあるように、固定資産税や相続税などがなんとゼロ。
これは今後変更が生じる可能性がありますが、この状況がバンコクの不動産市況を好調にしている大きな要因の一つです。
上記の表の通りタイでは外国人は土地を持てません。
住居についてもコンドミニアム1棟などは買えず、多くても49%以下の割合でしか保有でき無いと言う縛りが法律上あります。
なお、タイには約40,000人、バンコクだけで29,000人の日本人が居住しています。
こちらでは約70,000人の在留邦人がいて、しかも増加の一途を辿っています。
カウントした時期が違うのか?数字が2倍ほど差がありますが、いずれにしても数は非常に多いです。
そして2010年の調査になりますが、在タイの外国人の数は、約250万人、タイ全国民の3.87%にものぼるとの事。
在タイの日本人が2010年から2017年の間に約1.5倍程度増加しているので、恐らく現在の在タイ外国人全体でも1.5倍の375万人程、タイ人口比で約5.8%程に達している可能性があります。
主に企業の駐在員やその家族ですが、バンコク不動産投資はこういった日本人や外国人の居住需要を狙う事になります。
タイ現地人も最近は高級取りが増えており、コンドミニアムに在住するケースが増えているようですが、まだ割合としては少ないですね。
なお外国人賃貸需要を見込んで、コンドミニアムにはプールやジム付き、さらに警備員つきが割とスタンダードです。
中には飲食店やコンビニもテナントとして入る物件もあります。
バンコクの不動産の費用と必要経費
ここではバンコク市内の駅近(徒歩10分以内)の、不動産投資に適した物件価格を見ていきたいと思います。
バンコク不動産の物件価格
バンコクで投資に適した駅近の新築(もしくはそれに近い)物件(部屋)を買うと言っても、
価格の安いものから高級コンドミニアムまで幅広くあります。
とてもざっくりですが、1部屋で1,000万バーツ(3,300万円)を基準に高級かどうかが別れます。
安い物件になると1部屋で300万バーツ(1,000万円)程で、
恐らく最も多いのは500万バーツ~800万バーツ(1,650万円~2,640万円)程度でしょうか。
日本では地方や都心のワンルームマンションぐらいですね。
平米単価で言えば、15万バーツ~20万バーツ(約49万円~66万円)程が平均的な値になります。
これは日本でよく使われる坪単価に直すと、150万円~200万円程度と、東京や大阪の都心の築浅の中古物件程度の価格ですね。
と言う訳で、バンコクの投資適格な物件は日本と実はそこまで価格差が開いていなかったりもするのです。
バンコク不動産の共益費は比較的安い
共益費(Common Fee)は平米辺り30~100バーツほどが標準です。
また1年分をまとめて支払うケースなどまとめ払いが多いです。
例を挙げると、100㎡のコンドミニアムの場合、共益費が50バー/平米の場合、
50バーツ×100㎡×1バーツ3.3円とすると=16,500円が毎月の共益費です。
12カ月分まとめて払うと19万8,000円になります。
タイ不動産市場のリスク
あとタイ不動産のリスクも一応紹介しておくと、洪水リスクがあります。
2011年に大洪水の被害が有名です。バンコクも一部被害にあっています。

画像出典:キャプローグ様より
そもそもタイ全土で洪水の被害は毎年あり、2011のものが特に大規模だっただけで、毎年モンスーン期には何かしら水害が起きています。
それでもバンコクを中心に不動産市場が伸びている事も凄いですけどね。
BTSスカイトレインなどは高架ですしバンコクの街中では洪水時の影響を受けずに運行できますしね。
2011年のタイ全土の洪水被害についてはこちらのブログが画像付きで参考になります。
タイ不動産投資はプレビルド購入が主流なんです
さて、タイの不動産はプレビルド(着工前の販売)が主流です。
プレビルド(着工前)の販売→着工後の販売→完成後の販売
と時期を経るにつれ、価格が上がっていきます。
プレビルド倒産という言葉も覚えておきましょう。
人気物件はプレビルドの段階で売り切れることが多いのですが、
プレビルド時の購入の最大のリスクは物件が完成しないままデベロッパーが倒産するなどです。
バンコク不動産投資の主流はコンドミニアムやタウンハウス、またはレジデンス付きホテルなどです。戸建てはほぼゼロと思って良いでしょう。
またプレビルド投資という手法もあります。
名前の通り、プレビルドの期間中に購入~転売を繰り返すというもの。
多いと、プレビルド~竣工までに5回転売され、価格が1.5倍まで上昇する様な住戸もあります。
買ってはいけない、失敗しやすいバンコク不動産とは
バンコク不動産投資の失敗例が多発するタイプの不動産と言えばこんな感じです。
- 立地が悪い物件
- 需要に対して供給過剰なエリアの物件
- 古すぎる物件
1. 立地が悪い、郊外物件には人が来ない
100%ではないのですが、基本的に駅から遠いとか、郊外物件は非常に難しいと思って下さい。
確かに立地の悪い物件は割安だし、高利回りをうたう業者も多いです。
でも現実問題、まず賃貸需要が少ないのが現状です。
次に、外国人の賃貸需要を狙えません。バンコク郊外に住む外国人は限られているので。
コンドミニアムの場合、価格が現地のタイ人にとって高すぎると言う事が多々あります。
その場合家賃の滞納が数か月発生したりしても、そのタイ人が英語が通じない可能性もあり、取り立てが難しくなりがちです。
仮に裁判をしたとしても勝てないケースも多く、こうしたリスクが多いのが郊外物件です。
そもそも需要のない所に投資するのは投資の原理原則から外れていますからね。
2.需要に対して供給過剰なエリアの物件
実はバンコクでもこの問題は起こりつつあります。
つまり、不動産の価格が上昇を続けていますが、それを見越して建設ラッシュの真っただ中にいるのがバンコクです。今後どこかで供給過剰になる可能性があるのです。
むしろ少しずつですがバンコクの新築コンドミニアムの売れ行きが鈍化していると言う情報も聞いています。まだ鈍化と言うレベルではありますが。
この辺りは、「周囲の新築物件の売れ行き」をチェックしてみましょう。
プレビルド期間を過ぎているのに類似物件で買い手がついていない物件があれば…少し様子見をしましょう。
不動産投資は焦って変な物件を掴まされるより、じっくり考えて良い物件を逃してしまう方が良いぐらいです。
だってバンコクに新築物件立ちまくってますから。
3.古すぎ物件の瑕疵に注意
どの国でもそうですが、中古物件を買う際に最も気を付けなければならない事の一つが瑕疵です。
壁のひび割れも排水管の劣化も、とにかく東南アジアの気温の高さや雨季の多さは建築物を傷めつけてくれます。
管理の悪い物件なんて築3年なのに既に傷み始めているようなものが珍しくありません。
ましてやバンコクやタイ国内の建設会社の質は今でこそそこそこの施工レベルを保てていますが、
古い物件なんて本当にボロボロです。
日本の築40年ぐらいの物件と同じ様な見た目を築10年とか20年でしてしまうなんてのは良くありますからね。
これも実際目で見た方が良いでしょう。
バンコク不動産の理想的な立地
理想的な立地をインカムゲインによる「高利回り」やキャピタルゲインによる「価格上昇のしやすさ」で考えると、
バンコクでは駅から徒歩圏内である事、もっと言うと5分以内である事が理想です。
そんな国であっても不動産投資はロケーション、その次が管理を買え、とよく言われますが、バンコクでも同じ。
特にタイは車社会で、歩こうとしません。これ本当に思う。
バンコク歩いてても、歩いてる人がほとんどいなくて、いたとしても外国人バックパッカーみたいな人ばかりですよ。
タイ人はちょっと離れた場所に移行ものなら徒歩ではなくタクシーやトゥクトゥクやバイクを頻繁に使います。
駅から徒歩1分とか3分で着く物件は人気が高いですし、
徒歩10分以上離れている物件の人気は著しく下がります。
という訳で、タイで主に値上がりしているのは、以下の主要な路線の駅近物件です。
バンコクの主なエリア・駅と単価
- BTSスカイトレイン スクムビット ライン
- BTSスカイトレイン シーロム ライン
- MRT(地下鉄)
- エアポートリンク
- バス ラビッド トランジット ルート
バンコクの主なデベロッパー
デベロッパーの選び方、見極め方
デベロッパーは信頼できる所が良いです。
日本の建築技術は世界トップクラスに高く、日本の建設会社はとてもまじめに施工します。
そう言った日本の建築物に慣れていると、タイの建設技術が決して高くない事が分かると思いますし、また多少雑な施工も珍しくありません。
この背景として、日本のデベロッパーの技術が世界一なのは日本が地震大国で建築基準法の基準が高いからなのですが、
地震のほとんどないタイ、バンコクでは建築基準が日本より甘いからです。
せめて大手のデベロッパーが施行した物件を選定したいものです。
可能であれば、インスペクション(物件の調査)をしたり、検討したいコンドミニアムのデベロッパーの、過去の建築物を見に行きましょう。
面倒ですが、「築3年なのに壁にひびが…」「排水管がもう錆てる…」と言った瑕疵に気づくと思います。
それが建築会社の施行の甘さなのか管理会社の杜撰さによるものなのかはしっかり確認しましょう。
さらに言うなら日系企業の施行物であれば尚良し、です。
(それでも上記の様な瑕疵は普通に見つかる事があります。日本クオリティを100%再現できる建築物はそれほど多くありません)
バンコクの主なデベロッパー一覧
Pruksa Real Estate

公式サイト:Pruksa Real Estate
Pruksa Real Estate Public Company Limitedは1993年にThongma Vijitpongpunによって設立。バンコクに本社を置く最大規模の不動産開発業者の1つです。
2016年の年間売上高が470億バーツ(約15億米ドル)を記録。
Pruksa Real Estateはグローバル展開もしており、タイ、インド、モルディブに複数物件を建設した実績があります。
Pruksaの物件の種類はマンション、タウンハウス、一戸建て住宅など。特に有名なのは戸建て。
Chulalongkorn Business Schoolが実施した最近のブランド信頼度調査によると、Pruksaはブランド信頼度が81%で、タイで最も信頼される不動産デベロッパーのトップ5に選ばれました。
プロジェクト
- The Tree (Condominium)
- Urbano
- The Gallery’s (Single detached home)
- Nexts Pruksa Town (Townhouse)
- Passorn (Single detached home)
彼らは2017年以降に70以上の新しいプロジェクトを計画しています。
- The Reserve
- The Connect (townhouses)
- Pruksa Ville
Pruksaの物件価格の例
- The Gallery’sの1戸建ての家は、400万バーツ(約1,365万円)
- Nexts Pruksa Townのタウンハウスは、200万THB(約700万円)
Magnolia Quality Development Corporation (MQDC)

公式サイト:Magnolia Quality Development Corporation
MQDCは長年にわたりタイで多くの住宅およびマンションのプロジェクトを完了し、グローバル展開もしているデベロッパー。
MQDCは、第11回タイ不動産賞2016で9件のカテゴリーでノミネートされ、最優秀開発賞を含めて8つの賞を獲得しました。
MQDCの不動産プロジェクト例
- マンダリンオリエンタルレジデンス(2016年ベストウルトラコンド開発賞受賞者)
- マグノリアスウォーターフロントレジデンス(2016年豪華コンドミニアム開発賞受賞者)
- Whizdom Avenue Ratchada(ベストグリーン開発賞2016年の受賞者)
- Whizdom Station Ratchada(2016年最高級高級コンドミニアム開発賞受賞者)
物件の種類
MQDCは、アジアを拠点とするタイやその他の外国人投資家のための非常に裕福なバイヤー向けの高級住宅プロジェクトを建設することで知られています。
彼らのプロジェクトのほとんどは、マグノリア南カリフォルニアのようないくつかの住宅/ヴィラプロジェクトを持つマンションです。
今後のプロジェクト
- Magnolias Ratchadamri Boulevard(BTS線 Prime Sukhumvit駅最寄り)
- Magnolias French Country (Khao Yai近辺)
- Magnolias Southern California (Bangna近辺)
- Whizdom Essence Sukhumvit(BTS線 Punnawithi近辺)
MQDCはMagnoliasとWhizdomという2つのブランド名で不動産プロジェクトを開発しています。
物件価格とエリアの実績例
MQDCが建設した物件のほとんどは、バンコク内またはバンコク周辺にあります。プロジェクトはプレミアム品質のハイエンドなので、基本的には富裕層向けとなります。
- Magnolias Waterfront Residences(1200万THBから購入可能)
- カオヤイのハイエンドマグノリアフレンチカントリーハウス(家賃は1500万THB以上)
- BangnaのMagnolias Southern Californiaに別荘用の物件(2,000万THB以上)
Sansiri

日本語公式サイト:Sansiri
Sansiriはタイで最も有名で最大規模の不動産開発業者の 1つです。
タイで不動産投資を検討して物件を漁っていると、Sansiriの物件に出合う事は珍しくありません。非常によく聞く名前です。
2016年にはタイ国内で第2位のデベロッパー。年間売上高は3,000万バーツです。
1984年に小規模の資産運用会社として設立されたSansiriは、後に不動産開発会社に変身しました。
Sansiriの不動産プロジェクト例
現在、5つのタウンハウスプロジェクト、20のシングルハウス住宅プロジェクト、13のマンションプロジェクトを完了しています。
- The Line (Phra Kanong)
- The Base (On nut)
- Oka HAUS
- KHUN
- Siri Place Tiwanon
- Town Avenue Song-Kwae
物件の種類
コンドミニアム、シングルハウス、タウンハウスなど、この開発者から購入する広範囲の不動産タイプを見つけることができます。
今後のプロジェクト例
- Setthasiri San Sai
- Burasiri San Phi Suea
- Garden Square
価格とエリア
- スクンビットのHAUSにあるマンションの価格は400万THB(1,365万円)以上
- ブルシリ・ランシットに4ベッドと4バスのシングルハウスの価格は600万バーツ(2,000万円)以上
- Mettown Bangnaにある3ベッドルームタウンハウスの価格は200万THB(約700万円)以上
その他のバンコクの代表的なデベロッパー
タイ、バンコクで不動産投資や不動産購入をしようとすると以下のデベロッパーも非常に名の通った会社です。
- Land and Houses
- Everland PCL
- Ananda Development PCL
- Supalai PCL
- City Garden Development
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